選択肢の作り方
2026年9月12日
選択式の問題には弱点があります。覚えていなくても当たることです。 4択なら、まったく分からなくても4回に1回は正解します。 明らかに違う選択肢が2つ混ざっていれば、2回に1回になります。
自分用に作る問題では、これは損です。当たった問題は「できた」と記録され、 もう出てこなくなります。覚えていないのに、覚えたことにされる。 防ぐ鍵は、まちがいの選択肢(ダミー)の作り方にあります。
良いダミーは「自分が実際に間違えるもの」
ダミーを作るとき、つい「それらしい言葉」を並べてしまいます。 そうではなく、自分が本当に取り違えているものを入れるのが正解です。
自分で問題を作る強みはここにあります。市販の問題集は、多くの人が間違えるところに 合わせて作られています。自分が混同しているのがどれかは、自分にしか分かりません。 一度間違えたものを、そのままダミーにするのがいちばん効きます。
ダミーの作り方4種類
1. 似た用語を並べる
字面や響きが近い用語、対になっている用語を並べます。 「動脈と静脈」「帰納と演繹」「需要と供給」のように、 どちらがどちらか分からなくなる組みが最適です。
反対に、まったく別分野の用語を混ぜても意味がありません。 見た瞬間に消せるので、実質的に選択肢が減るだけです。
2. 数字を1つだけずらす
年号なら前後の年、割合なら10%刻みの隣、温度なら切りのいい別の値。 桁を間違えたときの値も有効です。 「0.1%」の問題に「1%」を混ぜておくと、桁の感覚があやしいうちは引っかかります。
3. 原因と結果を入れ替える
「AだからBになった」を「BだからAになった」に入れ替えたものをダミーにします。 流れを本当に理解しているかがはっきり出ます。 順番を覚えているだけの状態では、まず引っかかります。
4. 範囲をずらす
正しいけれど広すぎる、または狭すぎる選択肢を入れます。 「哺乳類」が正解のところに「動物」「ネコ」を混ぜるような作り方です。 どのくらいの粒度で聞かれているかを読む練習になります。
避けたほうがいいダミー
| 型 | なぜよくないか |
|---|---|
| 明らかに違うもの | 見た瞬間に消える。選択肢の数だけが増えて、当たる確率が上がる |
| 正解だけ文が長い | 中身を読まずに長いものを選べてしまう。長さはそろえる |
| 「すべて正しい」「該当なし」 | 中身を思い出さなくても、消去法の形だけで答えが出ることがある |
| 冗談・ふざけた語 | 作るときは楽しいが、2回目からは邪魔になる |
正解の位置は散らす
自分で作っていると、正解をいつも同じ位置に置きがちです。 最初に正解を書いてからダミーを足すと、正解が先頭に集まります。 並び順で覚えてしまうと、問題として働かなくなります。
位置を意識して散らすか、解くときに選択肢をシャッフルする機能を使ってください。 シャッフルできるなら、作るときの位置は気にしなくて済みます。
何択にするか
多ければいいわけではありません。3〜4択で十分です。 5つ目、6つ目のダミーは、たいてい「明らかに違うもの」になります。 質の低いダミーを足すと、かえって当てやすくなります。
言い換えると、本当に紛らわしいものが2つしか思いつかないなら、3択でいい ということです。数をそろえるために埋めないでください。
「2つ選べ」を使う場面
正解が複数ある形式は、消去法を効きにくくします。 1つ見つけて終わりにできないため、全部の選択肢を検討することになるからです。
分類の問題(この中で◯◯にあたるものをすべて選べ)に向いています。 ただし作るのが難しく、解くのも時間がかかります。 取り違えが多い範囲だけに使うと、負担と効果が釣り合います。
それでも当たってしまうときは
工夫しても、選択式は当たります。当たった感触があるときは、 正解を選んだあとに理由を口に出すようにしてください。 理由が言えなければ、覚えていないのと同じです。
もっと確実なのは、同じ内容を虫食いでも作っておくことです。 虫食いには選択肢がないので、当てずっぽうが効きません。 選択式で速く回し、あやしいところだけ虫食いで確かめる、という分け方ができます。 虫食いの作り方は虫食いで覚えるコツに書いています。
間違えた選択肢を、次のダミーにする。 解いていて選んでしまったまちがいは、そのまま良いダミーの候補です。 気づいたときに問題を直しておくと、問題集が自分の弱点に寄っていきます。